南森町の税理士です ソフトバンクグループの通期業績予想
2020/04/14
南森町の税理士の美藤直人です。
私は公認会計士でもありますが、以前からソフトバンクグループ株式会社の業績は気になっていました。4月13日に2020年3月期の通期業績予想を発表されましたが、営業利益が1兆3,500億円のマイナスになるとのことです。ソフトバンクグループ株式会社は携帯電話会社というよりも投資事業会社であり、複数の投資先の業績の悪化に伴い投資の公正価値(=時価)が減少したことを決算に反映させた結果です。企業は利益を計上するときもあれば、不幸にして赤字になるときもあるので、赤字決算の発表自体は気になりませんが、1兆3,500億円と営業赤字の額はビックリします。
ソフトバンクグループ株式会社でもう1つ気になるのが有利子負債(借入金、社債、リース債務など)の異常なまでの多さです。今回、同社の連結子会社であるスプリント社とTモバイル社の合併により、新Tモバイル社はソフトバンクグループ株式会社の連結子会社に該当しなくなり、持分法適用関連会社になります。スプリント社が連結子会社に該当しなくなったため、スプリント社に計上されていた有利子負債がソフトバンクグループ株式会社の連結貸借対照表から除外されることになりますが、スプリント社を連結子会社から外しても、ソフトバンクグループ株式会社の連結売上高よりも連結有利子負債の計上額の金額が多くなるはずです。簡単にいうと、「売上高<借入金」ということなんですね。
外部から有利子負債という形で資金調達し、様々な投資先に投資しているので、「売上高<借入金」の状態が絶対にダメだということにはならないですが、一般的な公認会計士の常識では考えられない経営をしています。
上場会社の決算内容は有価証券報告書などで見れますので、皆さんも一度、ご覧ください。